walkaround
2018.04.18

ボーダーライン 竜閑川編


 

みなさんこんにちは
千代田区のさまざまな境界線を探索する、ボーダーライン探検隊です。
中の人が長期出張だったり仕事が忙しかったりなどで久しぶりの更新です。
さて、今回は千代田区内神田の鎌倉橋児童遊園から岩本町1丁目の竜閑児童公園までの約1キロ、中央区とのボーダーラインを紹介していきます。

道路の左側が千代田区、右側が中央区

上の写真のような感じの細い通りがずっと続いていますが、この通りが千代田区と中央区の境界になっています。
なんでこんな通りが境界なのかというと、昔はここに竜閑川という川があったからなのです。

1947年の航空写真

上の写真は昭和22年(1947年)の航空写真で、写真の左下から右上に伸びて、別の川とTの字に合流しているのが、竜閑川です。
この写真が撮られた翌年の昭和23年4月1日に埋め立てが始まり、昭和25年3月7日には埋め立てが終了し竜閑川は完全に姿を消しました。
川は無くなりましたが、道路の下には水路があり、水は日本橋川に注いでいます。

日本橋川の水門

この地域は去年の夏ぐらいから記事にしようと思っていて、何度か訪れて写真などを撮ったりていましたが、
今回記事を書くにあたって久しぶりに行ってみたら色々な所が変わっていました。

竜閑さくら橋

まずは、日本橋川に「竜閑さくら橋」という、大手町地区と神田地区を結ぶ新しい橋が架かりました。
大手町側の再開発ビルがまだ完成していないので通る人はまばらですが、この橋からは面白いものが見えます。

鉄道省の紋章

日本橋川に架かるJRの外濠橋梁が完成した時に設置された鉄道省の紋章です。
この写真だとよく見えませんが、大正七年と書かれています。

さて、向きを変えて竜閑児童公園に向かいますと、JRのガード下に「今川小路」という
昭和の香りのする飲み屋街があったのですが、跡形もなく消滅していました。
JRの高架線の耐震工事のためだそうです。

かつての今川小路

現在の今川小路

更に歩くとこのあたりも、そこはかとなく昭和な雰囲気が漂います。

すごく張り出した看板

中央通りに面したビルの横に今川橋の碑があります。ここの通りを歩いてみてもこういった碑がある以外は、かつて川だった痕跡は見当たりません。

今川橋の碑

戦後に埋め立てられた通りなので、この通りには古い建物はありませんが、1本北側の通りには、山梨中央銀行 東京支店、丸石ビルディングなどの歴史的建造物があります。

山梨中央銀行 東京支店

中央通りを超えてさらに進むと花が綺麗な「ポー」という喫茶店があって、ここの一昔前の喫茶店によくあった感じのモーニング好きだったので、今回も行ってみようと思っていたのですが、更地になっていました。

花がきれいな喫茶店ポー

更地になっていました

この細くてあまり長くない通りに稲荷神社が二社あります。江戸時代に江戸に多いものとして「伊勢屋、稲荷に、犬の糞」などと言われていましたが、千代田区内を歩いているとビルの谷間などに意外と多くのお稲荷さんがあったりするので、本当に多かったのでしょう。

ビルの谷間のお稲荷さん

首都高速道路の手前の公園に竜閑川埋め立ての碑が立っています。向かい側の千代田区にも公園があったのですが、無くなっていました。ここの土地には保育園が出来るようです。千代田区の人口も6万人を突破しましたので保育施設も不足してきたのでしょうか。

竜閑川埋立記念の碑

保育園建設中

 

竜閑川埋立記念碑の裏には工事の概要が書かれています、埋立距離が六百間(約1,080m)、幅員が七間(約12,6m)埋立てに掛かった経費は七千万円(現在の貨幣価値に換算すると9億6千万円ぐらい)埋立によって出来た土地の売却価格が七千五百万円(現在の貨幣価値に換算すると10億円ぐらい)だそうです。

埋立には戦争で出来た瓦礫を使ったらしいですが、今から考えると工事に掛かった金額がずいぶん安くて驚きます。

高速道路を渡り、もうしばらく歩くと竜閑児童公園に突き当たります。

千代田区 龍閑児童公園

中央区 龍閑児童遊園

ちょうど区界に公園があるので、入口によって「中央区」と書かれていたり、「千代田区」と書かれているのは何となく理解できるのですが、「龍閑児童公園」「龍閑児童遊園」と公園の名前が違うのはどうかと思います。

公園の裏側はかつて浜町川という川があったのですが、やはり埋立てられています。こちらは竜閑川と比べると通路の真ん中にある、コンクリートの蓋や管理者が東京都下水道局だったり、川を埋立てた雰囲気がかなり残っています。

浜町川の跡

東京都下水道局が管理している看板

ここから先も区界は続きますが、今回の記事はここまで。

少し目を離すとどんどん変わっていく千代田区。
無くなっていくものをさびしく思う気持ちと、新しいものにわくわくする気持ち。
これからもこの2つの感情の間を、あっちに行ったりこっちに行ったりしながら千代田区を眺めていくことでしょう。

written by
tetsuji

てつじ

【好き:坂道・機械式時計・取り込んだ布団】
冷静沈着で着実な視点をもつ。
過去に両親が古書店を経営。