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2018.02.18

ちよせんレポート 第4号 お玉湯


2月は、東京では一番寒い頃ですが、2月4日は立春です。
少しずつ春の足音が聞こえてくるかもしれません。

第4回ちよせんは、神田の於玉湯です。
JR神田駅・東口もしくは北口から今川橋交差点に出ましょう。
高野理化硝子という会社のビル
(ビーカーやフラスコなど理化室にあった器材があるのですぐわかります)
の方に横断歩道を渡ってください。
よくある地図(道路に設置してある)には
ちゃんと銭湯の場所が載っています。

ナチュラルローソン(コンビニ)を超えて首都高の方へ歩いていくと、
町名由来板などもあり楽しめます。
次の紺屋町交差点では、
福永坂店とアパホテルのあるところに行ってください。
まっすぐ進むと井桁金網というすごく特徴あるビルが見えるので、
そのビルの手前を左折。
右手にアーモンドという看板を見つつ歩くと、
やたらと長いダンボールが並んだ万能医療という店があり、
そう、箱の中身は担架なのです。
救急車に乗ったことのある人ならすぐにわかりますね!

そして、次を左折し、野中理化器製作所、
神田医新クリニックいちご薬局ときたら、そこを右へ。
狭い路地に暖簾が見えます。

私が来たのは、平日の夕方5時頃。
脱衣所はおばちゃんたちで賑わっていました。
ロッカーは36個あり、個人用のものも24個あり
(自分の風呂道具をキープしておくのです)地域に愛されているのが伺えます。

ピンクの風呂イスとキイロの風呂桶。
カラン(蛇口)はシャワーと別になっているタイプで、
何しろお湯があつい!です。
東京一熱いと言われていた熱海湯(廃業)よりすごいかも、と思いつつ、
水で薄めながら体を温め、何度も汲んでいると、あれ。
もしかして地下水を蒔(廃材などを木造家屋取り壊しの時のものを使う)で
焚いたようなお湯だなぁと感じたのでした。
水道水のようなカルキ臭がなく、水質がやわらかく思えるのです。

実は後日、もう一度ここに来てあたりをぐるっと歩いてみると、
“千代田区・災害時協力井戸所有”と書いてあるじゃあありませんか。
やっぱりね。東京の銭湯では珍しくはなくて、結構多いと思います。
ここの水は飲まないで、と注意書きがあれば、ほぼ間違いなく地下水です。

湯舟も、もちろん熱め。立った状態で腰上までの深めの湯舟と、
お尻をついてちょうど肩まで入る膝くらいの深さと2種類あり、
深い方は「なるべくうすめないようにしてください」
と書いてありますが、温度計は44.0℃。
みなさん、お家のお風呂、何度か測ったことありますか?

湯舟に浸かっていても、あちこちでおばちゃんやおばあさんが、
挨拶を交わしたり、おしゃべりしたりと、
とてもホッとする庶民的であたたかな空間であることがわかります。
奥の壁は一面の竹林(写真プリント)。
お湯に浸かって脱衣場の方を見ると、壁の上部に何かの模様が見えます。
たぶん絵付けタイルだと思いますが、白地に青のグラデーションで、
かすみ草の花束か、麦の穂の束か。
浴室全体もアイボリーとブルーで、男女差のないデザインのようでした。

お玉湯のお玉とは…近くにお玉稲荷(神社)がありまして、
かつて不忍池より大きな池がここいらにあり、その池の名前からの由来のようです。
於玉湯のある岩本町のあたりは、古い地名がたくさん。
コラムニストの泉麻人さんオススメの神田北乗物町。
神田紺屋町、神田富山町、鍛冶町、神田美倉町などなど。

ぜひ、ぶらぶらと目的なく歩き回って、面白いもの、
美味しそうなお店など見つけてくださいね。
ちよせん最終回につき、少々おまけ(番外編)をつけました。
みなさん、今まで読んでいただきありがとうございました。

お玉湯
千代田区岩本町2丁目2−14
03-3866-2306
[ 月〜金 ] 14:40~22:30
定休日:土曜日

●番外編
実は、お玉湯から直線距離で500mくらいの近くにもうひとつ、公衆浴場があるのです。
中央区の十思湯。東京メトロ日比谷線・小伝馬町駅からもすぐです。

建築好きの方はきっと興味深いと思うのですが、
アール・デコ調の曲線と直線の連続デザインな外見の旧十思小学校が、
十思スクエアという公共施設になっていて、そこに銭湯もあります。
隣は十思公園で、十思って一体何?という謎も解けます。

さらに、かなり立派な寺院もあるのですが、実はそこが死刑場、
公園のあたりは伝馬町獄という牢屋跡地。物騒なところだったみたいです。
公園内には沢山の解説文があるので、
読んで歩くもよし、十思について探すもよし。
お天気の良い日にぜひまち歩きしてみてくださいね。
もちろん、しめはお好みの銭湯で!

これまでのちよせんはこちら
▶︎ちよせんレポート
▶︎ちよせんレポート 第1号 バン・ドゥーシュ編
▶︎ちよせんレポート 第2号 梅の湯
▶︎ちよせんレポート 第3号 稲荷湯

written by
tomoko

しなもん

【好き:ネコ・銭湯・食いしん坊】
優しくて、力強くて親身。
福祉のお仕事をしている。